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売春防止法

(昭和三十一年五月二十四日法律第百十八号)


最終改正:平成一九年六月一五日法律第八八号


(最終改正までの未施行法令) 

平成十九年六月十五日法律第八十八号 (未施行) 

   



 第一章 総則(第一条―第四条) 

 第二章 刑事処分(第五条―第十六条) 

 第三章 補導処分(第十七条―第三十三条) 

 第四章 保護更生(第三十四条―第四十条) 
 附則 

   第一章 総則 


(目的) 

第一条  この法律は、売春が人としての尊厳を害し、性道徳に反し、

社会の善良の風俗をみだすものであることにかんがみ、売春を助長する行為等を

処罰するとともに、性行又は環境に照して売春を行うおそれのある女子に対する

補導処分及び保護更生の措置を講ずることによつて、売春の防止を図ることを

目的とする。 

(定義) 

第二条  この法律で「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、

不特定の相手方と性交することをいう。 

(売春の禁止) 

第三条  何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない。 

(適用上の注意) 

第四条  この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように

留意しなければならない。 

   第二章 刑事処分 


(勧誘等) 

第五条  売春をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者は、

六月以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する。 

一  公衆の目にふれるような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘すること。 

二  売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、

人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。 

三  公衆の目にふれるような方法で客待ちをし、

又は広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること。 

(周旋等) 

第六条  売春の周旋をした者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。 

2  売春の周旋をする目的で、次の各号の一に該当する行為をした者の処罰も、

前項と同様とする。 

一  人を売春の相手方となるように勧誘すること。
 
二  売春の相手方となるように勧誘するため、道路その他公共の場所で、

人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。 

三  広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように

誘引すること。 

(困惑等による売春) 

第七条  人を欺き、若しくは困惑させてこれに売春をさせ、

又は親族関係による影響力を利用して人に売春をさせた者は、

三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。 

2  人を脅迫し、又は人に暴行を加えてこれに売春をさせた者は、

三年以下の懲役又は三年以下の懲役及び十万円以下の罰金に処する。
 
3  前二項の未遂罪は、罰する。 

(対償の収受等) 

第八条  前条第一項又は第二項の罪を犯した者が、その売春の対償の全部

若しくは一部を収受し、又はこれを要求し、若しくは約束したときは、

五年以下の懲役及び二十万円以下の罰金に処する。 

2  売春をした者に対し、親族関係による影響力を利用して、

売春の対償の全部又は一部の提供を要求した者は、三年以下の懲役又は

十万円以下の罰金に処する。 

(前貸等) 

第九条  売春をさせる目的で、前貸その他の方法により人に金品その他の

財産上の利益を供与した者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。 

(売春をさせる契約) 

第十条  人に売春をさせることを内容とする契約をした者は、

三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。 

2  前項の未遂罪は、罰する。 

(場所の提供) 

第十一条  情を知つて、売春を行う場所を提供した者は、

三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。 

2  売春を行う場所を提供することを業とした者は、

七年以下の懲役及び三十万円以下の罰金に処する。 

(売春をさせる業) 

第十二条  人を自己の占有し、若しくは管理する場所又は自己の指定する場所に

居住させ、これに売春をさせることを業とした者は、

十年以下の懲役及び三十万円以下の罰金に処する。 

(資金等の提供) 

第十三条  情を知つて、第十一条第二項の業に要する資金、

土地又は建物を提供した者は、五年以下の懲役及び二十万円以下の罰金に処する。 

2  情を知つて、前条の業に要する資金、土地又は建物を提供した者は、

七年以下の懲役及び三十万円以下の罰金に処する。 

(両罰) 

第十四条  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、

その法人又は人の業務に関し、第九条から前条までの罪を犯したときは、

その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 

(併科) 

第十五条  第六条、第七条第一項、第八条第二項、第九条、

第十条又は第十一条第一項の罪を犯した者に対しては、懲役及び罰金を併科する

ことができる。第七条第一項に係る同条第三項の罪を犯した者に対しても、

同様とする。 

(刑の執行猶予の特例) 

第十六条  第五条の罪を犯した者に対し、その罪のみについて懲役の言渡をする

ときは、刑法 (明治四十年法律第四十五号)第二十五条第二項 

ただし書の規定を適用しない。同法第五十四条第一項 の規定により第五条の罪の

刑によつて懲役の言渡をするときも、同様とする。 

   第三章 補導処分 


(補導処分) 

第十七条  第五条の罪を犯した満二十歳以上の女子に対して、

同条の罪又は同条の罪と他の罪とに係る懲役又は禁錮につきその執行を

猶予するときは、その者を補導処分に付することができる。 

2  補導処分に付された者は、婦人補導院に収容し、その更生のために

必要な補導を行う。 

(補導処分の期間) 

第十八条  補導処分の期間は、六月とする。 

(保護観察との関係) 

第十九条  第五条の罪のみを犯した者を補導処分に付するときは、

刑法第二十五条の二第一項 の規定を適用しない。

同法第五十四条第一項 の規定により第五条 の罪の刑によつて処断された

者についても、同様とする。 

(補導処分の言渡) 

第二十条  裁判所は、補導処分に付するときは、刑の言渡と同時に、

判決でその言渡をしなければならない。 

(勾留状の効力) 

第二十一条  補導処分に付する旨の判決の宣告があつたときは、

刑事訴訟法 (昭和二十三年法律第百三十一号)第三百四十三条 から

第三百四十五条 までの規定を適用しない。 

(収容) 

第二十二条  補導処分に付する旨の裁判が確定した場合において、

収容のため必要があるときは、検察官は、収容状を発することができる。
 
2  収容状には、補導処分の言渡を受けた者の氏名、住居、年齢、

収容すべき婦人補導院その他収容に必要な事項を記載し、

これに裁判書又は裁判を記載した調書の謄本又は抄本を添えなければならない。 

3  収容状は、検察官の指揮によつて、検察事務官、警察官又は

婦人補導院の長若しくはその指名する婦人補導院の職員若しくは

刑事施設の長若しくはその指名する刑事施設の職員が執行する。

収容状を執行したときは、これに執行の日時、場所その他必要な事項を

記載しなければならない。 

4  収容状については、刑事訴訟法第七十一条 、

第七十三条第一項及び第三項並びに第七十四条の規定を準用する。
 
5  収容状によつて身体の拘束を受けた日数は、補導処分の期間に算入する。 

6  検察官は、収容状を発したときは、補導処分に付する旨の裁判の執行を

指揮することを要しない。 

(補導処分の競合) 

第二十三条  補導処分に付する旨の二以上の裁判が同時に又は時を異にして

確定した場合において、二以上の確定裁判があることとなつた日以後に

一の補導処分について執行(執行以外の身体の拘束でその日数が補導処分の

期間に算入されるものを含む。)が行われたときは、その日数は、

他の補導処分の期間に算入する。 

(在院者の環境調整)
 
第二十四条  保護観察所の長は、婦人補導院に収容されている者の社会復帰を

円滑にするため、必要があると認めるときは、その者の環境の調整に関する

措置を講ずることができる。 

2  前項の措置については、犯罪者予防更生法 (昭和二十四年法律第百四十二号。

以下「予防更生法」という。)第五十二条 の規定を準用する。 

(仮退院の許可) 

第二十五条  地方更生保護委員会(以下「地方委員会」という。)は、

補導処分に付された者に対し、婦人補導院の長の申請又は職権により、

相当と認めるときは、仮に退院を許すことができる。 

2  婦人補導院の長は、補導処分に付された者が収容されたときは、

すみやかに、これを地方委員会に通告しなければならない。
 
3  第一項の仮退院については、予防更生法第二十九条 から

第三十二条 までの規定を準用する。この場合において、

同法第二十九条第二項 中「前条」とあるのは、「売春防止法第二十五条第二項」

と読み替えるものとする。 

(仮退院中の保護観察) 

第二十六条  仮退院を許された者は、補導処分の残期間中、保護観察に付する。

2  前項の保護観察については、予防更生法第二条 、第三十四条から

第三十七条まで及び第三十九条から第四十一条の二までの規定を準用する。

この場合において、同法第三十四条第二項 中「第三十一条第三項 」とあるのは、

「売春防止法第二十五条第三項において準用する第三十一条第三項」と、

第四十一条第七項中「第四十五条第一項」とあるのは、

「売春防止法第二十七条第二項において準用する第四十五条第一項」

と読み替えるものとする。 

(仮退院の取消) 

第二十七条  仮退院中の者が遵守すべき事項を遵守しなかつたときは、

地方委員会は、仮退院の取消をすることができる。 

2  前項の仮退院の取消については、予防更生法第四十四条第一項

 及び第二項 並びに第四十五条第一項 、第二項、第五項及び第六項の

規定を準用する。この場合において、

同法第四十五条第一項 中「第四十一条第二項 」とあるのは、

「売春防止法第二十六条第二項において準用する第四十一条第二項」

と読み替えるものとする。 

3  仮退院中の者が前項の規定において準用する予防更生法第四十五条第二項

 の規定により留置されたときは、その留置の日数は、補導処分の期間に算入する。
 
4  仮退院が取り消されたときは、検察官は、収容のため再収容状を

発することができる。 

5  再収容状には、仮退院を取り消された者の氏名、住居、年齢、

収容すべき婦人補導院その他収容に必要な事項を記載しなければならない。
 
6  再収容状については、第二十二条第三項から第五項までの規定を準用する。

ただし、再収容状の執行は、同条第三項に規定する者のほか、保護観察官も

することができる。 

(行政手続法 の適用除外) 

第二十七条の二  第二十四条から前条まで及び第二十九条の規定による処分

及び行政指導については、行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第二章 

から第四章 までの規定は、適用しない。 

(審査請求) 

第二十八条  第二十七条第一項の規定による地方委員会の処分に不服がある者は、

中央更生保護審査会に対して審査請求をすることができる。 

2  前項の審査請求については、予防更生法第五十条 から第五十一条の

二 までの規定を、同項に規定する処分の取消しの訴えについては、

予防更生法第五十一条の三 の規定を準用する。この場合において、

予防更生法第五十条 中「刑事施設又は少年院」とあるのは

「婦人補導院」と、予防更生法第五十一条の二 中「六十日」とあるのは

「三十日」と読み替えるものとする。 

(予防更生法 雑則の準用) 

第二十九条  仮退院の許可、仮退院中の保護観察、

仮退院の取消し及び処分の審査については、第二十五条から前条までに

定めるもののほか、予防更生法第五十五条 から第五十九条 まで及び

第六十条第一項 の規定を準用する。 

(仮退院の効果) 

第三十条  仮退院を許された者が、仮退院を取り消されることなく、

補導処分の残期間を経過したときは、その執行を受け終つたものとする。 

(更生緊急保護) 

第三十一条  婦人補導院から退院した者及び前条の規定により

補導処分の執行を受け終わつたとされた者については、

予防更生法第四十八条の二第一項第一号 に掲げる者とみなし、

予防更生法第四十八条の二 から第四十八条の四 まで及び第六十条 

の規定を適用する。この場合において、予防更生法第四十八条の二第一項 

及び第四項 中「刑事上の手続又は保護処分による身体の拘束」

とあるのは「補導処分による身体の拘束」と、予防更生法第四十八条の

三第二項 中「刑事施設若しくは少年院の長」とあるのは「婦人補導院の長」

と、「刑事上の手続又は保護処分による身体の拘束」とあるのは

「補導処分による身体の拘束」と、同条第三項 中「刑事施設若しくは

少年院の長」とあるのは「婦人補導院の長」と、「仮釈放」とあるのは

「仮退院」とする。 

(執行猶予期間の短縮)
 
第三十二条  婦人補導院から退院した者及び第三十条の規定により

補導処分の執行を受け終つたとされた者については、退院の時又は

補導処分の執行を受け終つたとされた時において刑の執行猶予の期間を

経過したものとみなす。 

2  第五条の罪と他の罪とにつき懲役又は禁錮に処せられ、

補導処分に付された者については、刑法第五十四条第一項 の規定により

第五条 の罪の刑によつて処断された場合を除き、前項の規定を適用しない。 

(補導処分の失効) 

第三十三条  刑の執行猶予の期間が経過し、その他刑の言渡がその効力を

失つたとき、又は刑の執行猶予の言渡が取り消されたときは、

補導処分に付する旨の言渡は、その効力を失う。 

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